10泊の夏季長期野営の歴史

■ 池原に至るまでの夏季長期野営(第1〜10回)
夙川ボーイスカウト創立20周年記念誌 「燃えろスカウト」より、夏季野営の記事を抜き出してみました。

  ■ 第1回(昭和35年) [船坂谷]
スタッフ:松田利昭、山田明良

  この年8月5日〜8日県連合同野営大会が苦楽園日向台において開催され、野営らしき野営をしたことのない3団もこれに参加した。中学1年生と小学校6年生、しかもまだ充分に訓練されていないのに、8日大会が終わるとそのまま野営道具一式を背に、徒歩で船坂越えをし、船坂谷にて15日まで第1回長期野営を行なったのである。すぐに自動車に頼る昨今を思えば当時のスカウトの心意気はすばらしいものであった。指導者は松田隊長と隊付山田明良(高2)の2名、食料は専属班が作られ、大野輝弥(中2)、四方源美、青沢一郎(共に中1)が当たった。この班は後にジャガー班(現ヤギュー班)となる。大会と合せて10泊11日の長期野営を誰の手も借りずに成しとげた自信は、西宮第3団の行手に大きな力となったのである。

第1回長期野営のうらばなし
  中1がトップで始めての野営、しかも10泊、誰もが未経験。父兄から反対が出るのも当然、これを押し切れた秘訣は午前中のプログラム−勉強。重い荷の上に勉強道具まで持っていった。ところが始めてのキャンプが始めての雨ばかり、6日間降られて宿題もノートも炊事の煙と共に灰になった。その後、勉強はいっさいなしとなる。

  ■ 第2回(昭和36年) [船坂谷]
スタッフ:松田利昭、山田光良、山田明良、山崎、柴垣正光、山田知輝
参加費:1,000円

  第2回長期野営は8月6日〜13日 7泊8日で船坂谷において行われた。昨年に較べていい天気。リーダーは隊長、山田光良、山田明良、山崎隊付、他団から柴垣正光、山田知輝氏他。ベッドが出来た(タカ班)のもこの年。藤木九三先生をむかえ大躍進の年であった。

第2回
  ■ 昭和37年
スタッフ:松田利昭、山田光良、山田明良

  第3回日本ジャンボリーが御殿場で開催されて隊ぐるみで参加する。全員2級以上となっていた。

  ■ 第3回(昭和38年) [山崎町大国開拓団]
スタッフ:松田利昭、山田明良

  第3回長期野営は山崎町大国開拓団において行なう。初日から雨という大変な野営であった。年長隊も始めての野営。本部は松田隊長と山田副長、買出しは年長隊。買い物は歩いて片道3時間という山奥。スケールのでっかい自然の中・10日間雨にぬれて野営をした。3団少年隊の野営の基礎がこの時出来たのである。

第3回
  ■ 第4回(昭和39年) [山崎町大国開拓団]
スタッフ:松田利昭、山田明良、萱仁文

  昨年にひき続き大国開拓団で行った。

  ■ 第5回(昭和40年) [千ガ峰高原]
スタッフ:山田明良、萱仁文、大野輝弥、辻礼治

  新隊長のもとに第5回長期野営が県合同野営大会ににひきつづき、千ガ峰高原で行なわれた。年長隊は年長隊富士野営に団として初参加し、帰路は蓼科高原方面へ移動野営を行なった。年長隊単独の夏のプランであった。
  団委員長、隊長の交代があり、各隊とも新体制作りに大変な1年であった。特に少年隊は若年リーダーばかりで、多難な長期野営であった。

  ■ 昭和41年
  少年隊は、岡山県日本原の第4回日本ジャンボリーへ参加する。隊ぐるみで参加できた最後のジャンボリーであった。帰って剣谷にて隊キャンプを行ない本年度のしめくくりをした。
  ■ 第6回(昭和42年) [鉢伏高原]
スタッフ:松田利昭、山田明良、松尾、永井、勝田、井上、松本憲二、他

  年少隊、少年隊、年長隊、青年隊が同一の所で夏期野営・舎営を行なうことが確認され、鉢伏高原にて第6回長期野営を開催する。我が団出身者で本部を構成したはじめての野営となり、この反省に基づき野営本部のあり方について模索がはじまった。松田隊長、山田隊長及び年長高校3年生もはせ参じた。

第6回
  ■ 第7回(昭和43年) [塩飽諸島長島]
スタッフ:山田(明)、永井、松尾、井上誠、碇徹、小柏寛干、山田勝良、網本慶一、植田正喜、木村光一

  夏は始めての試みとして、香川県塩飽諸島の無人島長島へ少年隊、年長隊。年少隊は同諸島の本島正覚寺。清荒神の紹介によるものであった。ローバー12名による野営運営。無人島というので団委員会も精力的に協力され、団委員会とリーダーが一体となることができた。また野営管理面と指導面の確立ができた野営でもあった。この年より、リーダーの野営費半額免除となった。

第7回-4
第7回-1 第7回-2 第7回-3
  ■ 第8回(昭和44年) [高野山]
スタッフ:山田(明)、永井、碇 徹、松尾、網本、山田(勝)、中村 肇

  第8回長期野営は高野山が選ばれた。10日間の野営を乗り切るにはどうしても標高1000m以上が必要であった。年長隊は長期野営場から大峰山系縦走し、帰営するといった現在のシニアー隊夏季プログラムの原型ができた。

  ■ 第9回(昭和45年) [青垣町]
スタッフ:松尾、網本、奥田 実、平脇幸雄

  この年第5回日本ジャンボリー朝霧高原で開催され夙川スカウトは29名参加した。前回までのジャンボリーは2級以上であれば全員参加できたのであるが、今回からは代表しか参加できなくなった。
  そのため隊として総仕上げの野営をしなければならず、リーダー不足のまま第9回夏季長期野営を氷上郡青垣町で行なった。奥田 実を中心に炎天下での野営、野営レベルは最低の年であったが、建て直しにかける意気込みの感じられる野営であった。

  ■ 第10回(昭和46年) [信州 池原]
スタッフ:松田 利昭、山田(明)、奥田 実、大野 隆康、碇 徹、堤 保樹、平脇、奥田 豊、太田 正輝等

  毎年、野営地探しに指導者のエネルギーが消耗されることや、より原始的な野営ができること、炎天下の野営がさけられるようにしたいことなどから、定着できる野営地を確保することになった。9月の連休、10月の休みと山田明良、奥田 実は走りまわり、ついに現在の野営地池原の確保に成功した。(詳細は別項)
  本年は前記野営場及びレックを使用しての長期野営、舎営が行なわれた。この野営では、指導者のエネルギーの大半をさく野営管理を合理的に行なうため、他団と合同して行なうことにした。プログラムは各隊毎にするが、食料、安全その他管理を合同ですることによって、各団とも指導者不足を補えるといったことからこの方式は定着していく。本年は西宮5団、及び神戸33団と合同し、野営長に松田利昭氏をむかえたのである。この野営は3団創設期の野営と同じく大半雨に降られ苦しい野営であった。閉営式において流したスカウト達の涙。この涙こそ夙川スカウトの再出発であった。また松田氏の指導を再び受けることができた。


■ 年表
は全員参加した大会・野営
日 程 野営名称 場 所
1960 S35 8月5日〜8日 3 県合同野営大会 日向台
8月8日〜15日 7 第 1回夏季長期野営 詳しくは... 船坂谷
1961 36 8月6日〜13日 7 第 2回夏季長期野営 詳しくは... 船坂谷
1962 37 8月2日〜8日 6 第3回日本ジャンボリー 御殿場
1963 38 8月10日〜20日 10 第 3回夏季長期野営 詳しくは... 山崎町大国開拓団
1964 39 8月8日〜17日 9 第 4回夏季長期野営 詳しくは... 山崎町大国開拓団
1965 40 8月5日〜9日 4 県合同野営大会 北条
8月9日〜15日 6 第 5回夏季長期野営 詳しくは... 千ガ峰高原
1966 41 8月4日〜10日 6 第4回日本ジャンボリー 日本原
8月17日〜19日 2 夏季野営 剣谷
1967 42 8月3日〜13日 10 第 6回夏季長期野営 詳しくは... 鉢伏高原
1968 43 8月2日〜11日 9 第 7回夏季長期野営 詳しくは... 塩飽諸島長島
1969 44 8月1日〜10日 9 第 8回夏季長期野営 詳しくは... 高野山
1970 45 7月21日〜26日 5 第 9回夏季長期野営 詳しくは... 青垣町
8月5日〜11日 6 第5回日本ジャンボリー 朝霧高原
1971 46 7月21日〜31日 10 第10回夏季長期野営 詳しくは... 信州 池原
1972 47 8月10日〜20日 9 第11回夏季長期野営 信州 池原
1973 48 8月6日〜16日 9 第12回夏季長期野営 信州 池原
1974 49 7月29日〜8月11日 13 第6回日本ジャンボリー 千歳原
8月13日〜24日 11 第13回夏季長期野営 信州 池原
1975 50 8月8日〜18日 10 第14回夏季長期野営 信州 池原
1976 51 8月7日〜19日 12 第15回夏季長期野営 詳しくは... 信州 池原
1977 52 8月7日〜18日 11 第16回夏季長期野営 信州 池原
1978 53 8月2日〜9日 13 第7回日本ジャンボリー 御殿場
8月10日〜20日 11 第17回夏季長期野営 信州 池原
1979 54 8月9日〜20日 11 第18回夏季長期野営 信州 池原
1980 55 7月26日〜8月4日 11 第19回夏季長期野営(23団) 豊島
8月9日〜20日 11 第19回夏季長期野営(3・13団) 信州 池原
1981 56 8月1日〜4日 3 第9回県合同野営大会 自衛隊青野ヶ原演習場
8月9日〜20日 11 第20回夏季長期野営 信州 池原
1982 57 8月1日〜7日 6 第8回日本ジャンボリー 南蔵王
8月8日〜17日 9 第21回夏季長期野営 信州 池原
1983 58 8月8日〜19日 11 第22回夏季長期野営 信州 池原
1984 59 8月5日〜16日 11 第23回夏季長期野営 信州 池原
1985 60 8月8日〜19日 11 第24回夏季長期野営 信州 池原
1986 61 8月1日〜8日 7 第9回日本ジャンボリー 南蔵王
8月9日〜17日 8 第25回夏季長期野営 信州 池原
1987 62 8月5日〜16日 11 第26回夏季長期野営 信州 池原
1988 63 8月4日〜7日 3 第11回県合同野営大会 神鍋高原
8月7日〜15日 8 第27回夏季長期野営 信州 池原
1989 H 1 8月5日〜16日 11 第28回夏季長期野営 信州 池原
1990 2 8月2日〜8日 6 第10回日本ジャンボリー 妙高高原
8月6日〜8日 2 第10回日本ジャンボリー(見学) 妙高高原
8月8日〜15日 7 第29回夏季長期野営 信州 池原
1991 3 8月7日〜18日 11 第30回夏季長期野営 信州 池原
1992 4 8月6日〜17日 11 第31回夏季長期野営 信州 池原
1993 5 8月5日〜8日 3 第12回県合同野営大会 自衛隊青野ヶ原演習場
8月8日〜18日 10 第32回夏季長期野営 信州 池原
1994 6 8月2日〜9日 7 第11回日本ジャンボリー 久住高原
8月9日〜17日 8 第33回夏季長期野営 信州 池原
1995 7 8月4日〜15日 11 第34回夏季長期野営 信州 池原
1996 8 8月8日〜11日 3 第13回県合同野営大会 自衛隊青野ヶ原演習場
8月11日〜19日 8 第35回夏季長期野営 信州 池原
1997 9 8月7日〜18日 11 第36回夏季長期野営 信州 池原
1998 10 8月1日〜8日 7 第12回日本ジャンボリー 森吉山麓高原
8月9日〜17日 9 第37回夏季長期野営 信州 池原
1999 11 8月6日〜17日 11 第38回夏季長期野営 信州 池原
2000 12 8月2日〜6日 4 第14回県合同野営大会(Hyocam.2000) 神鍋高原
8月6日〜15日 10 第39回夏季長期野営 信州 池原
2001 13 8月4日〜15日 11 第40回夏季長期野営 詳しくは... 信州 池原

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